2017年8月29日火曜日

シービング・スティンク(THIEVING STINK)

THIEVING STINKは、Steve Zdancewicが創作したトリックテイキングゲームのようです。

4人用のペア戦になります。
使うトランプは、通常のトランプよりジョーカーを除いた52枚です。
各スートの強さは:A>K>Q>J>Q>9>8・・・2です。
スートの強さは♣>>>♠です。スートの強さはビッド、切り札変更の時にこの強さを適用します。
このゲームは時計回りに進行します。
最初のディーラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。以降ディラーは時計回りに持ち回りで交代します。
ディラーは各プレイヤーの手札が13枚になるように配ります。

カードの点数

下記の点数がついています。
・J,Q,K,A:各10点
・それ以外:0点

ビッド

各プレイヤーは切り札候補のカードを手札から1枚裏向きにして場に出します。
全員場に出したら一斉に表向きにします。
最もランクの高いカード(A>K>Q>J>10・・・2の順)が切り札スートになります。
もし複数同じ強さのランクがある場合は、スートの強さで決めます
切り札候補のカードは、1つにまとめて、切り札表示として、表向きに最も強いカードを一番上にします。
切り札表示のカードは、最初のリードプレイヤーのそばに置きます。

プレイ

最も強いカードを出したプレイヤーが最初のリードプレイヤーになります。
リードプレイヤーは、以下の2つのどちらか1つを行います、

  1. 通常にプレーをする
  2. 切り札を変更する
リードプレイヤーが手札から1枚出し、通常にプレイした場合は、以降以下のルールに従いプレイします。
1)リードで出されたスートがある場合は、必ずフォローします。複数ある場合は、任意の1枚を出します。
2)ない場合は、切り札スートを必ず出します。切り札スートが複数ある場合は、任意の1枚を出します。
3)リードされたスート、切り札スートもない場合は、何を出してもかまいません。
取ったカードは裏向きにして自分の脇に置きます。
リードプレイヤーが切り札を変更する場合、プレイ前に「切り札変更」の宣言をします。
切り札変更できるのは、切り札表示されているカードのランクより強いランク、または同じランクで強いスートのカードでのみ、切り札を変更できます。
原文では明記されていませんが、切り札表示のカードと同じスートを出すこともできます。
また切り札を変更する時のみ、「2」は最強のカードとして見なします。
例えば切り札表示のカードが9の場合は、同じランクで上書きできるのは、9か9になります。
切り札を変更した場合は、手札から出したカードを表向きにして、切り札表示のカードの上に重ねて置きます。
また切り札表示のカードを、切り札変更したプレイヤーのそばに置きます。
切り札変更をした場合は、リードプレイヤーはプレーできません。
リードプレイヤーの左隣が最初にプレイします。切り札変更が発生した場合だけ、プレイされたカードは3枚になります
切り札が出なかった場合は、リードプレイヤー(またはその左隣のプレイヤー)が出したスートの中で、一番強いカードを出したプレイヤーがそのトリックを取ります。
切り札が出ている場合は、切り札の中で一番強いカードを出したプレイヤーがそのトリックを取ります。
取ったカードは自分の脇に裏向きにして置きます。
トリックを取ったプレイヤーが次のリードプレイヤーになります。

点数

全員の手札がなくなったら1ディール終了です。
取ったカードに点数がついているカードがあれば、カードの点数を合計します。
さらに切り札表示のカードがそばに置かれているプレイヤーは、切り札表示のカードの枚数を数えます。
切り札表示のカードは、ランクに関係なく1枚につき5点になります。

ゲーム終了

いずれかのペアの合計点が500点に達したらゲーム終了です。
最も合計点が高いペアの勝ちです。
適当なラウンド数を決めて、プレイしても良いと思います。


4人のペア戦というところがミソだなと思いました。
切り札表示のカードは1枚5点つくため、かなり大事な点数です。
初期で20点約束されるのですから。
切り札表示のカードを自分のチームに持ってくためには、リードを取りかつ次の自分のリードで切り札変更をしなければならないのが、悩ましくも面白そうなところです。
機会があれば遊んでみようと思います。

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2017年8月22日火曜日

3,6,9

3,6,9は、Alex Raulliが寄稿したトランプを使ったトリックテイキングゲームになります。
通常のトランプよりジョーカーを除いた52枚を使います。
カードの強さ:A>K>Q>J>10・・・2の順です。
切り札はありません。
4人用のゲームとしてデザインされましたが、3人、5人でも遊べます。
まずは4人のルールを説明します。3人、5人については後述します。

ディール

トランプをシャッフルし、各プレイヤーは裏向きのままトランプを1枚とります。
「3」により近いカードを引いたプレイヤーが最初のディラーになります。
最も「3」に近いカードを引いたプレイヤーが複数いる場合は、決着がつくまで引き直します。
以降ディラーは時計回りに持ち回りで交代します。
ディラーは各プレイヤーの手札が13枚になるように配ります。


プレイ

ディラーの左隣が最初のリードプレイヤーになります。
ゲームはマストフォローのトリックテイキングゲームになります。
つまりリードで出されたスートがある場合は、必ずそのスートを出します。
ない場合に限り、何を出してもかまいません。
リードで出されたスートのうち、一番強いカードを出したプレイヤーがトリックをとります。
プレイしたカードはトリック数がわかるように置きます。
全員の手札がなくなったら1ディール終了です。

得点計算

1トリックにつき1点がつきます。さらに3トリック毎に追加で2点がつきます。
例えば合計5トリックの場合は、1+1+3+1+1=7点になります。
ただし合計トリック数が3トリック,6トリック,9トリックの場合は0点です。
・得点の早見表


ゲームの終了

12ディールプレイしたらゲーム終了です。
各プレイヤーは3回ディラーになります。
合計点数が最も高いプレイヤーの勝ちです。最高得点が複数いる場合は引き分けになります。

3人用ゲーム

♥2を除いた51枚を使います。
各プレイヤーの手札は17枚になります。
9ディールプレイしたらゲーム終了です。
各プレイヤーは3回ディラーになります。
それ以外は4人プレイと同じです。
ただし合計トリック数が3,6,9の場合は0点です。
オプションルールで、さらに合計トリック数が12の場合は0点にします。

5人用ゲーム

♥2♦2を除いた50枚を使います。
各プレイヤーの手札は10枚になります。
10ディールプレイしたらゲーム終了です。
各プレイヤーは2回ディラーになります。
それ以外は4人プレイと同じです。

ただし合計トリック数が3,6,9の場合は0点です。

非常にシンプルなトリックテイキングゲームです。
手軽で初めてトリックテイキングゲームをする人でも遊べると思います。

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2017年8月16日水曜日

ディンゴ(dingo)

ディンゴはクリーブランド州オハイオにある、ゲームサークルで遊ばれたトランプゲームです。
4人用のゲームで個人戦になります。
使うトランプは、通常のトランプよりジョーカーを抜いた52枚です。
このゲームではカードの呼び名があります。
・ラビット:のカード。♦Aを「エースラビット」と呼びます。
・ディンゴ:のカード。
・オオカミ:♣、♠のカード。

カードの点数

各カードの点数がついています。場合によっては失点になることもあります。
・2~9:1点または-1点
・10,J,Q,K:2点または-2点
ダイヤ以外のA:3点または-3点
♦A:10点または-3点

このゲームでは時計回りに進行します。
最初のディラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。ディラーは時計回りに持ち回りで交代します。
ディーラーはA以外のダイヤを全て除外します。除外した後40枚をシャッフルし、各プレイヤーに手札が10枚になるよう配ります。
除外したダイヤ(2-3-4-5-6-7-8-9-10-J-Q-K)は山札になります。昇順にし表向きにして中央に重ねて置きます。ダイヤの2が一番上になっています。
ゲーム開始時に3回カードの交換と4回の手札の廃棄を行います。
1回目のカードの廃棄
手札から1枚表向きにして捨てます。Aは捨てることはできません。
捨て札は一番上のカードが見えるように重ねて置きます。
1回目のカードの交換
ディラーが最初に手札から1枚選び、裏向きのまま左隣のプレイヤーに渡します。渡されたカードを見た後、左隣に渡します。
交換は1周したら1回目の交換終了です。つまり最後はディーラーが受け取って1回目の交換は終了です。
2回目のカードの廃棄
1回目と同様手札から1枚表向きにして捨てます。Aは捨てることはできません。
捨て札は一番上のカードが見えるように重ねて置きます。
2回目のカードの交換
2回目の交換は正面同士で行います。ディラーが最初にカードの交換を行います。
3回目のカードの廃棄
1回目と同様手札から1枚表向きにして捨てます。Aは捨てることはできません。
捨て札は一番上のカードが見えるように重ねて置きます。
3回目のカードの交換
3回目の交換は反時計回りに行います。ディラーが最初にカードの交換を行います。
4回目のカードの廃棄
1回目と同様手札から1枚表向きにして捨てます。Aは捨てることはできません。
捨て札は一番上のカードが見えるように重ねて置きます。


狩りの開始(プレイ)

ディラーは山札の一番上のランクを宣言します。
ディラーが宣言したランクのハートを持っているプレイヤーは、必ずそのカードを場に出さなくてはなりません。
最初は「2」です。従って♥2を持っているプレイヤーは、手札から♥2を出します。
ディラーが宣言したランクのスペードまたはクラブを持っている場合は、出しても出さなくてもかまいません。原文では明記されていませんが、ここではハードを出したプレイヤーから、時計回りにパスするか、手札から出します。
スペードまたはクラブが1枚しか出なかった場合
ハートを出したプレイヤーは得点として、自分の脇に置きます。
スペードまたはクラブを出したプレイヤーは、山札の一番上のカードを得点として自分の脇に置きます。
スペードまたはクラブが別のプレイヤーから枚ずつ、計2枚出た場合
ハートを出したプレイヤーは、自分が出したカードと、最初に出たスペード(またはクラブ)のカード1枚、計2枚を得点として自分の脇に置きます。
2番目に出したプレイヤーは、自身が出したカードと山札の1番上のカード、計2枚を特典として自分の脇に置きます。
最初にスペードまたはクラブを出したプレイヤーは何ももらえません。
ハートが出たのにそれ以外のプレイヤーがパスした場合
山札の1番上のカードを失点として、得点とは別にして自分のそばに置きます。
ハートが出なかった場合は、誰もプレイできません。山札の1番上のカードを破棄します。
山札の一番上のランクと同じハートを持っているプレイヤーは、同じランクのクラブ、スペードがあったとしてもプレイすることはできません。
例えば山札の一番上が「3」で3,♣3,♠3が手札にある場合、3は必ず場に出さなくてはなりませんが、♣3,♠3はプレイできません。
これをKまで行います。
自身の手札に♠と♣の同じランクがある場合は、両方出すと損をします。どちらか1枚をプレイするかパスすることをお勧めします。

Aの狩りの開始

Kまでプレイが終わったら、Aの「狩り」を行います。Aを持っているプレイヤーは必ず場に出さなくてはなりません。それ以外のプレイヤーはAを出すかは自由です。出さなくても良いです。
Aを出したプレイヤーから時計回りにカードを出すかパスをします。
Kまでプレイが終わったら、Aの「狩り」を行います。Aを持っているプレイヤーは必ず場に出さなくてはなりません。それ以外のプレイヤーはAを出すかは自由です。出さなくても良いです。
♦A1枚と、♣Aまたは♠Aのいずれか1枚を持っていて、♦Aを出したい場合は、まず♣Aまたは♠Aをだし、もう一方のカードが出た後に、♦Aを出します。
Aの得点の処理
♥Aが出ていて、♠Aまたは♣Aが場に出ている場合は、出したプレイヤーのそれぞれの得点になります。
もし♦Aがプレイされている場合は、♦Aも得点になります。
つまり1人で♠A,♣A,♦Aの3枚を持っている場合は、3+3+10=16得点です。
1人で♠A,♣A,♥Aの3枚を持っている場合も16得点になります。
♥Aしか場に出ていない場合(ほかのプレイヤーが出さずにパスした場合)は、♥Aを出したプレイヤーの失点になります。♥Aを失点置き場に置きます。
♦Aが場に出なかった場合、♦Aを持っているプレイヤーの失点になります。♦Aを持っているプレイヤーはそのカードを見せて失点置き場におきます。
もし1人のプレイヤーがA4枚持っている場合は、即座に公開します。そのプレイヤーは19得点を獲得します。全てのAを得点置き場に置きます。
Aの狩りが終わったら1ゲーム終了です。手札を公開し、♦Aを持っているプレイヤー失点になります。
得点置き場の合計点から失点置き場の合計を差し引いた点が最終的な得点になります。

ゲームの終了

ゲーム終了は特に決められていません。5ゲームあたりか、事前に獲得点数を決めておくと良いでしょう。

まだ未プレイです。
最初の手札の捨てる・交換でほとんど方針が決まってしまうゲームです。
機会があれば遊んでみようと思います。

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Togetterまとめ



2017年8月13日日曜日

タマロー(Tamalou)

タマローは中近東で遊ばれているトランプゲームです。
フランスなどのヨーロッパでも遊ばれているようです。
「ビンゴ」、「ラスプーチン」、「Kabou(Cabo)」,「サボテン(Cactus)」などと色々な名前で呼ばれているみたいです。
2~8人まで遊べるようですが、適正人数は2~5人ぐらいまでではないかと思います。
通常のトランプ52枚を使います。
オプションでジョーカー2枚を加えることもできます。
個人的にはジョーカー1枚か2枚を入れることをお勧めします。
このゲームはトランプゲームの「ゴルフ」に非常に似ています。

ディール

このゲームでは反時計回りにゲームが進行します。
最初のディラーをジャンケンなどの適当な方法で決めます。
以降は反時計回りに持ち回りで交代します。
このゲームでは各プレイヤーに4枚配ります。
残ったカードは裏向きのまま山札として場に置きます。
配られた4枚は裏向きのまま、2x2の長方形のレイアウトになるよう配置します。
使うトランプ全てをシャッフルし、各プレイヤーにまず2枚ずつ配ります。
配られた2枚のカードは、各自自分だけ見ます。
見た後裏向きのまま配られた2枚を自分の前に置きます。
ディーラーはさらに各プレイヤーに2枚ずつ配ります。
この2枚については見ることはできません。
各プレイヤーは2x2の長方形のレイアウトになるように配置します。

プレイ

ディーラーの右隣がスタートプレイヤーです。
自分の手番になったら、次の1)、2)のどちらか1つをプレイします。
1)山札の一番上のカードを取る。
取ったカードは自分だけが見ます。
取ったカードはそのまま捨て札にしてもかまいません。
捨て札にしない場合は、自分の配置済みの4枚のいずれか1枚と交換します。
交換後裏向きにして配置します。
交換するときも配置済みのカード見ることはできません。
また交換後の配置したカードも見ることはできません、
交換したカードは捨て札になります。
捨て札は表向きにして、場の中央に重ねて置きます。
2)捨て札の一番上のカードを取る。
捨て札を取った場合、そのまま捨て札に捨てることはできません。
取ったカードは自分だけが見ます。
自分の配置済みの4枚のいずれか1枚と交換します。
交換後裏向きにして配置します。
交換するときも配置済みのカード見ることはできません。
また交換後の配置したカードも見ることはできません、
交換したカードは捨て札になります。
捨て札は表向きにして、場の中央に重ねて置きます。

カードの特殊効果

山札から取りそのまま捨て札にすることにより、特殊効果を発動するカードがあります。
特殊効果を使わずにそのまま捨て札にすることもできます。
・7,8(のぞき見):自分のレイアウトのカードを1枚自分だけ見て、元に戻すことができます。
・9,10(スパイ):他のプレイヤーのレイアウトのカードを1枚自分だけ見て、元に戻すことができます。
・J,Q(交換):他のプレイヤーのレイアウトのカードを1枚と、自分のレイアウトのカード1枚と交換することができます。カードを見ることはできません。
・K:他のプレイヤーのレイアウトのカードを1枚を見た後に、自分のレイアウトのカード1枚と交換することができます。見るだけで交換しなくてもかまいません。

カードの点数

カードの点数は以下の通りです。

タマロー宣言

自分のプレイが終わった後、自分のレイアウトのカードの合計が5点以下のプレイヤーは、タマロー宣言をすることができます。
この宣言後、ゲームは即座に終了します。
タマロー宣言し、カードの合計が5点以下の場合、得点は0点になります。
ただし、タマロー宣言したプレイヤーの合計点と同じかそれより少ない合計点だったプレイヤーがいる場合は、対象のプレイヤー全員が0点になります。
またタマロー宣言したプレイヤーは、カードの合計点のままになります。
もしタマロー宣言したプレイヤーのカードの合計点が6点以上だった場合、タマロー宣言は失敗になります。
失敗した場合、カードの合計点に加え5点のペナルティを受けます。
タマロー宣言が失敗したときも、タマロー宣言したプレイヤーの合計点と同じかそれより少ない合計点だったプレイヤーがいる場合は、対象のプレイヤー全員が0点になります。

神風

タマロー宣言後、自分のレイアウトのカードがQ2枚、K2枚だった場合、
対象のプレイヤーの得点は0点になり、他のプレイヤーの得点は50点になります。
この神風はゲームに好みで入れても入れなくても良いと思います。

ゲーム終了

いずれかのプレイヤーの得点が100点以上になったら、ゲーム終了です。
最も得点が低いプレイヤーの勝ちになります。
また得点が100点ぴったりだった場合は、得点が50点になります。
もしくは適当なゲーム数をプレイして終了でも良いと思います。

バリエーション

いくつかのバリエーションルールがあります。

・カードの交換
J,Qのカードの特集効果を使った時、交換は2人のプレイヤーに対して使うことができます。つまり2枚交換できます。

・ゲーム終了条件
100点ぴったりにだった場合、ゲーム終了ではなくします。
100点を50点にしてゲームを続行します。
ぴったり100点になった場合は何度でも50点になります。
また50点ではなく70点にするオプションもあります。

・2人プレイ時
2人プレイでは4枚ではなく6枚でプレイすることにします。
配置は3x2の配置にします。
最初に3枚配りその3枚は見て裏向きのままにします。
さらに3枚配ります。この3枚のカードは見れません。

「神風」のルールを抜いてプレイしました。
若干単調になりがちでしたが、なかなか楽しめました。
展開によって長引いてしまい冗長に感じてしまうと思います。
4人以上で遊ぶ場合は、ジョーカーは1枚か2枚を加えることをお勧めします。

参考サイト
ウィキペディア(フランス語)
CABO(PDF) ※Escale à jeux